ナスカのおみやげとペルー最高級の綿花畑

2019年4月2日

こんにちは!ナスカ地上絵観光の後、空港の駐車所にあった掘っ立て小屋のようなお土産ショップでTシャツを買いました。後でわかったのですが「タンギス綿」というペルー最高級綿で作られたTシャツでした、うはは。

ナスカ空港のおみやげ店

ナスカ空港のお土産もの店には民芸品やアクセサリー、ナスカの石、等様々なものが売られています

ナスカ空港のお土産ショップ

地上絵遊覧フライトが終わり、滑走路を歩いてターミナルビルに戻ったらロサさんが笑顔で迎えてくれました。

「お帰りなさい、地上絵は見れましたか?」

「はい、たくさん見れました、もー感動です!」

「そう、それはよかったですね。ではこれから車に戻って今夜泊まるホテルへご案内します」

ロサさんの後について空港ターミナルビルから駐車場に出ます。建物の出口のところに、ナスカみやげを売っている露店がありました。

色とりどりの土産もの
ナスカ土産の品々

品数も多くてぱっとみた感じ良さげなおみやげがたくさんある風だったので、ちょっと見ていきました。

でもロサさんやドライバーさんをあんまり待たしては悪いので、ささっと見て、ナスカの地上絵が描かれているTシャツを家族全員分お揃いで購入しただけでショッピングはおしまいにしました。

あとでわかったのですがナスカでおみやげが買える場所はほとんどありません、ひえ〜。

到着した時のバスセンターにも売店はありませんでした。そもそもナスカはとても交通が不便な場所にあるため、リマやイカから飛行機で飛んできて地上には降りずにまた引き返す「日帰り観光」が主流です。わたしたちみたいにナスカの町に滞在するような物好きな観光客は少ないのです。

ですから観光客向けの大規模なおみやげショップも存在しないのでしょう。

この時はまだ私たちはナスカに到着したばかりでよくわからなかったのですが、ここ以外ではミラドール(地上絵観察用やぐら)の下でシートを広げて石やキーホルダーを売っている露店があった程度でした。

種類や商品の多さでいうとこの空港駐車場の露天がぴかいちでした。これからナスカを訪れる予定の人は、ここでしっかり時間をとっておみやげを物色されることをおすすめします。

ナスカの綿花畑

ナスカの綿花畑
ナスカの綿花畑

空港駐車場のおみやげショップでわたしたちが買ったTシャツは、ナスカ特産のペルーコットンのTシャツです。

ハチドリやクモなど地上絵の模様をデザインしたシャツは、色も種類も豊富で、選ぶのが大変でした。手に持ったときの綿の触感がしっとりしていて、これはなかなか掘り出しもののおみやげを見つけたな、と思いました。

ペルーの綿花

ペルーで栽培される綿花の多くは「海島綿/カイトウメン」という種類の綿花です。

ナスカ空港のおみやげショップで購入した、ペルー綿を使用したTシャツ
ナスカ空港のおみやげショップで購入した、ペルー綿を使用したTシャツ

他のコットンと比べると、美しくて、シルクのような光沢と、カシミアのようなやわらかい肌ざわりを持っているので、「繊維の宝石」と呼ばれています。

世界最高と讃えられるエジプト綿や、ペルーのピマ・コットンなどが海島綿の種類です。

ペルーにおいては、紀元前4200年頃の綿さやがペルー海岸地方のアンコンで見つかるなど、古くから綿花の栽培がおこなわれていました。

ペルーでは他にも個性の強い綿花が多く栽培されています。アンデスの高地で栽培されている紡績可能綿花では太い「アスペロ」、長繊維にも拘わらず「アスペロ」に次いで繊維が太い「タンギス」、超長繊維のデルセロ、などが生産されています。

繊維が太い原料は染料の沈着が良く、パステルカラー系の染料には色鮮やかに発色します。

ホテルへ向かう

「ではホテルへ向かいましょう。」

ロサさんのあとをついて車に乗り込むと、車内はクーラーをかけているみたいに、ひんやり感じます。このあたりは砂漠気候で空気が乾燥しているため、日陰に入るととても快適なのです。

わたしたちを乗せたミニバンは、空港を出たら右折し、南米大陸の大平洋側を南北に貫くパンアメリカンハイウェイを東へ向かって走ります。ナスカ市街地の中心から空港までは、3kmちょっとしか離れていませんが、空港周辺にはほとんど建物はありません。

空港の北側には綿花畑が広がっています。一方、空港の南側は乾燥した斜面を持つ荒地が山へ繋がっています。

綿花畑で作業する人
ナスカ郊外の綿花畑でロバに乗って作業をする人

ナスカは世界的に知名度の高い街ですが

空港を出ておよそ2km弱走ると、26Aとの分岐点となる三叉路に差し掛かります。

この三叉路を左折するとナスカ市街地に出ます。その先の市街地を通り抜け、そのままパンアメリカンハイウェイを進むと地上絵があるナスカ平原に出ます。そしてさらに進むとそのずっと先は、イカやパラカス、そしてリマに行き着きます。

リマからバスで到着したわたしたちは、さきほど市街地にあるバスセンターでロサさんたちと合流し、送迎車であるこのミニバンに乗り換えて、ナスカ空港へやってきたのでした。

「ああ、ここを曲がればさっきバスを降りた場所だな」と思ったとき、車はその三叉路を左折せず直進しました。つまり26Aに乗って、さらに東へ向かったのです。

「これははじめて通る道に入ったな、ホテルはこっちの山のほうみたいだ」

三叉路の周辺には民家らしき建物が数件見えますが、三叉路を離れると、また荒涼とした山の斜面に道路が伸びています。少し高いところを走っているのでしょうか、左手にはナスカの市街地が見えています。

ナスカ市街地には高い建物はありません。コンクリートの箱のような低層の建物が、木々の間に密集しています。砂漠地帯にもかかわらずナスカ市街地のまわりだけ少し緑があるのは、アンデス山脈から流れてくる地下水がこのあたりで地上に涌いているからだそうです。まさに砂漠に出現したオアシス都市ですね。

手前に広がる茶色い土地に低木の木々が整然と植えられますが、これは綿花の栽培畑みたいです。やがて遠くに見えていた低層コンクリートの箱のような建物が密集したナスカの街も遠くなってきました。

世界的な知名度と比べてナスカは拍子抜けするほど小さな街です。ナスカには観光客向けの大規模ショッピングモールや高層ホテルなどはありません。知らないで訪れたら、ここがあの地上絵で有名なナスカだとは誰も気付かないでしょう。

地上絵を見る観光客はどうしているのかというと、リマやイカから飛行機に乗ってナスカ上空までやってきますが、機内から地上絵を観察したら、地面に降りることなく、またリマやイカへ引き返して行くのです。ナスカ空港には国内線、国際線の定期便は就航していないため、ナスカを訪れるにはバスか車で陸路を移動しなければなりません。移動には長い時間とお金と体力を費やさなければならず、それと比べたらリマなどから飛行機で飛んできて、さっと地上絵を見てぱっと引き返す方が効率的なのです。

時間を節約したい観光客にとっても、客のわがままに応えるスケジュールを組まなければいけないツアー会社にとっても、

「飛行機でとんぼ帰り作戦」

は好都合な戦略というわけです。従ってナスカ上空は多くの観光客が通過しますが、地上を訪れる観光客は限られるため、ナスカの街には観光客向けの大規模なショッピングモールも高層ホテルもないのです。

でもそれは、人ゴミだらけの観光地がきらいな人には好都合と言えます。

観光ずれしていないというか、ナスカにはとても素朴な雰囲気が残っています。有名観光地へは行きたいけど、人でごった返しているのはいやだ、と思う人には最高の場所かもしれません。

人気の高さや知名度と比べて観光客が少ない観光地としてわたしたちが訪れた中では、マダガスカルのバオバブ並木の次に、ミスマッチの大きな場所だと思います。

収穫した綿花を運ぶロバ
26Aから左折した未舗装の道を綿花を運ぶロバ。まるで100年くらい前にタイムスリップしたような風景

ナスカからクスコへ行くルート

三叉路を直進し東へ進む26Aは、ナスカから東のアンデス山脈を登り、クスコ方面へと続いています。

地図で見ると、ナスカからいったんリマに戻るより、直接クスコへ向かった方が効率的に見えます。そこで調べてみるとナスカからクスコへはバスが運行していますが、所要時間は片道16時間前後かかるようです。

単純に計算すると、ナスカ~リマのバス7時間+リマ~クスコの飛行機1時間で、所要時間は合計8時間なので、ナスカ~クスコ/バス移動の半分程度の時間ですむことがわかります。

ですからどうしても、同じルートを通らないことにこだわりたい人バスでアンデスを登りクスコへ向かいたい人でなければ、一見遠回りのように見えてもリマ経由でクスコへ行く方が、時間の節約になります。

また、ナスカとクスコの標高差およそ2900mを登るアンデスの山道ですから、乗り物酔いしやすい人は避けたほうが無難だと思います。

今夜泊まるのは綿花農園のホテル

今日泊まるホテルが見えてきた
綿花畑の中にあるホテル

三叉路から先の道路の左手にはずっと綿花畑が広がっています。三叉路から2.5kmくらい走った所で、わたしたちを乗せた車は、左折し土埃が舞う未舗装の道に入りました。

「今夜泊まるホテルはこんな場所にあるんだ」

この先はいったいどうなっているんだろうと、不安な気持が少し大きくなってきました。

道路の左手にはまだ綿花畑が続いています。ロバに乗って畑を耕す人、馬の背に荷物を積んで道を歩いている人がいます。まるで100年前にタイムスリップしたような光景です。

農園の中にあるホテル
エントランス前に止まっている車とブーゲンビリア

このあたりで栽培されている綿花は「タンギス綿」と言う品種でペルーを代表する特産品です。

タンギス綿は、水が少ないナスカのような乾燥した土地でも丈夫に育つ種で、紡績に使用される綿としては最も繊度が太く、汗吸収がよく、さわやかな肌触りが得られることから、高級ニット用の綿として重宝されてきました。

プエルトリコ出身の農家、タンギスさんが10年の歳月をかけ試行錯誤の末、品種改良に成功した綿花です。ナスカでおみやげを探すなら、ペルーコットンのタンギス綿を使用したTシャツやタオルも悪くないと思います。そうとは知らず、空港のおみやげショップで偶然ゲットしたのは、大ヒットだったと言えるでしょう。

ゆっくり歩く馬やロバの列を追い越し、綿花畑脇の道をさらに進むと、正面に大きな木作りの門が見えてきました。今夜、わたしたちが宿泊する農園ホテル「カンタヨリゾート&スパ」に到着したようです。

では車を降りてチェックインしましょう。

どんな部屋か楽しみです。

ナスカの綿花畑に囲まれたホテルのエントランス
ホテルのエントランス

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それではまた世界のどこかでお会いしましょう、笑顔あふれる良いご旅行を!

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