キリンディー森林保護区のウォーキングサファリで超レアな大物フォッサと遭遇

2019年3月2日

キリンディー森林保護区

時間がかかる理由

モロンダバからキリンディーまでは、車で片道3時間もかかると言う。そりゃーすごく遠いのかと思ったら、距離的には60kmくらいとのこと。道路事情が悪いため時間がかかるのだ。

モロンダバでタイヤを交換し、約1時間でさっき引き戻したバオバブ並木を通過。そこからさらに北東の内陸にあるキリンディーを目指す。朝方までの大雨で、道は水びたし。まるで泥沼のよう。その変わり果てた姿の道路を悪戦苦闘、泥や水をはじき飛ばしながら車は進む。

 

森林ウォーキングサファリに出発

森林ウォーキングサファリに出発だ / 森の中を歩くのは気分がリフレッシュして気持ちいい / あっちで鳴き声が聞こえるぞ

 

水たまりにカメ?

と、突然ドライバーのサミーが急ブレーキ。そして車の下の泥の水たまりを指差して何か言っている。

「え、ここに何かいるの?」

窓から身を乗り出して下の水たまりをのぞき込むが、泥で濁っていて、タイヤさえ見えない。

「カメ!」サミーが言う。

どうやらこの水たまりの中にカメがいるらしい。

「あ、いた!あそこ」

タイヤのちょっと先の水たまりの中からカメが首をにゅ~っと上げた。

「わーー、ほんとだ、カメだ!」

って言うか、アンタこんな濁った水たまりの中で、よくカメなんか見つけましたね、もう、そっちのほうがてんでびっくりだよ!

 

ブラウンキツネザルと遭遇

                   ブラウンキツネザルと遭遇

 

キリンディーに到着

うっそうと繁るジャングルがせまるワイルドな道をさらに進む。やがて正面に「キリンディー森林保護区」と書かれた看板が見えてきた。そして看板の手前を右に入ったところに広場があって、広場中央の建物の前で車は止まった。どやらキリンディー森林保護区のビジターセンターに到着したようだ。

キリンディー森林保護区は、モロンダバの北東の内陸約60kmのところにある自然保護区。面積はおよそ1万2500ヘクタールで、世界最小の霊長類であるピグミーネズミキツネザルや、オブトコビトキツネザルなど、8種類のキツネザルのほか、フォッサ、テンレック、ムササビなどマダガスカル固有のほ乳類、カメレオン、ヘビ、カメなど24種類のは虫類、さらに45種類の鳥類が生息する自然の宝庫だ。

ビジターセンター兼食堂の建物を取り囲むようにバンガローが並んでいる。ここに棲息する動物たちの大半は夜行性なので、宿泊して野生動物のダイナミック生態を観察する旅行者に人気となっている。

 

フォッサ

    フォッサは別の進化をとげたネコ科の生き物 / キリンディーの入り口

 

フォッサ発見!

森林トレッキングに出発する準備をしていたら、ロッジのスタッフがこっちへ来いと手招きをしている。珍しい動物がロッジのすぐそばにいるらしい。何だろうと思ってそばによって指さすほうを見たら、すぐそこの木陰で、メスライオンのこどものような動物が横になっていた。何あれ?

「フォッサです」。

フォッサは、キツネザルや、小鳥、は虫類などを襲うマダガスカル最大の捕食動物で、マダガスカルの 食物連鎖の頂点を占める肉食獣。ライオンやピューマなどネコ科の動物と共通の祖先を持つが、それらの動物とは違う進化をとげた、地球上でマダガスカルにしか棲息していないタイヘン珍しい動物だ。その生態はまだほとんど知られておらず、研究者の間でも肉食動物のどの科に属すのか、議論が続いている。ネコのような武器とマングースのような粘り強さを持つことから、地球上で最も敏捷で優秀な肉食哺乳動物の部類に入ることだけは確からしい。

ディズニー映画「マダガスカル」にもキツネザルたちを襲う悪役で登場する。

「へ~~いきなりこんな超ド級の大物が見れてラッキーだね」

 

カメレオン

                     カメレオン / トカゲ

 

森林ウォーキングサファリ

今日われわれのガイドをしてくれるのは、自然保護区のスタッフ、レミー。この森を知り尽くしたベテランガイドだ。車でトレイルの入り口まで行き、そこから徒歩で森の中を散策する。マダガスカルサファリの面白いところは、こうして自分の足で、野生動物の住む領域へ入り込める事。森の中で葉がそよぐ音、響き渡る鳥やケモノたちの鳴き声、踏みしめる地面の感触、それら自然のすべてを、五感をフル動員して体感することができる。

キリンディーの森に住む動物のほとんが夜行性。だからいくらベテランガイドのレミーでも、簡単には動物を見つけられない。でも、こんなステキな森の中をハイキングできただけで十分ですよ。

それでもレミーは粘ってくれて、1時間くら散策して最後の最後に、ブラウンキツネザルのカップルを見つけてくれた。ありがとう、レミー!

 

セブ牛のステーキ

                  セブ牛のステーキ。美味しいよ♪

 

森のテラスでランチタイム

美しい森を散策して、美味しい空気を胸いっぱい吸い込んだら、今度はお腹いっぱい料理をいただこう(そっちかい!)食堂に戻ってテーブルに座ったら、前菜にスープ、それからセブ牛のステーキやサラダが次々運ばれてきた。うひゃぁ~~どれもこれもたまらなく美味しい!

野生のキツネザルやフォッサやカメレオンが見れて、マダガスカルで最初のサファリとしては、まずまずだったと思います。最初からいきなりてんこ盛りで見れても、あとで盛り上がらなくなるし。

食堂のまわりの広場では、イグアナみたいな大きなトカゲがのっそのっそ歩き、夢のようにきれいな蝶の大群が乱舞していた。

 

ガイドのレミーさん

              ガイドのレミーさんと / 食堂はビジターセンターも兼ねている