マダガスカル動物図鑑
ベローシファカ
叫び声が「シー・ファク」と聞こえるので、この名前がついた。地上で横向きにジャンプする愛嬌のある飛び方は、日本のテレビコマーシャルなどでも放映され有名。本来は森の中の木から木へ飛び移るためのジャンプだが、森林伐採により森が減少したため、地上に降りざるを得なくなった。現在の推定生存個体数は250頭前後。WWFより絶滅危惧種に指定されている。体長は40~50cm。昼行性。ベレンティー保護区で多く見られる。
ワオキツネザル
体より長い尾に白と黒の輪を重ねたような模様があるところから「輪尾(ワオ)」キツネザルと呼ばれる。しかし見た目も鳴き声もネコのようで、学術名も「ネコ」の意味。メスを中心に15頭前後の群れで暮らす。集団でひなたぼっこをする姿がユーモラスで可愛い。体長は40~45cm。昼行性。 ベレンティー保護区で多く見られる。
チャイロキツネザル
顔に黒い天狗のお面を付けたようなチャイロキツネザルは、マダガスカルではよく見られるキツネザルだ。数頭~数十頭の群れ生活し、1日中樹上で過ごす。バマコ自然保護区にいるチャイロキツネザルは人なつっこくてとても可愛い。ここではガイドの許可があれば餌を直接あげることもできる。体長40~50cm。昼行性。
カンムリシファカ
個体数が2000頭以下までに激減したインドリ科の原猿類。現在WWFにより絶滅危惧種に指定されている。体長はベローシファカより一回り大きい。顔がぶさいくでその分愛着がわく。バマコ自然保護区でガイドの許可があれば餌付けができる。 日本アイアイファンドのホームページはコチラWWFジャパンのホームページはコチラ
テンレック。遺伝子的にはゾウらしい最大の原猿類、インドリアイアイ
インドリ
現存するキツネザルの中で最大の原猿類。黒と白の毛で体中が覆われており、尾が短くて、パンダのように見えなくもない。一夫一婦型のつがいとそのこどもからなる親子で2~5頭の群をなし樹上生活をしている。ちなみに「インドリ」とは現地の言葉で「見て!」という意味。現地ガイドがこの動物を指差して「インドリ!インドリ!」と叫んだのを、フランスの動物学者ピエール・ソヌラが名前だと勘違いし「インドリ」と命名された(なんじゃそりゃぁ~~!)。早朝、熱帯雨林の森に響き渡るインドリの歌声は幻想的で、それを聴くサファリは、マダガスカル旅行のハイライトとも言える。体長60~70cm。昼行性。ペリネ特別保護区で多く見られる。WWFの絶滅危惧種。アイアイ
この物語の主人公とも言えるお猿さん。中指が非常に長く、木の実や昆虫を捕まえて食べる。大きな耳と黒い毛で覆われた姿から、現地では「悪魔の使い」と恐れられていた。歌のイメージとぜんぜん違うじゃないかーー!夜行性で個体数も少なく一時は絶滅したと考えられていた。東海岸マナナラ近郊のアイアイ島では、野生をアイアイを見れる可能性が高い。体長40cm。WWFの絶滅危惧種。テンレック
テンレックは長い間ハリネズミやモグラの仲間と考えられていたが、最近の分子系統解析から、アフリカのゾウなどと同じ仲間だということがわかってきた。マダガスカルには約30種類のテンレックが棲息しており、そのほとんどがマダガスカルの固有種。地球上でもっとも多くの赤ちゃんを生むほ乳類としても知られ、平均20匹、多い時は一度に32匹の赤ちゃんを生む。半樹上生活で体長は14~18cm。
ハイイロジェントルキツネザル / シロクロエリマキキツネザルハイイロジェントルキツネザル
別名バンブーキツネザルと呼ばれる小型の原猿類。尾が長く体毛は灰色。竹や竹の新芽などを好んで食べ、3~5頭の家族群れで暮らす。昼行性。体長は約30cm。シロクロエリマキキツネザル
大型のキツネザルで、耳と下首周りを白い毛が覆い、頭部から胸、お腹、尾にかけて黒い毛が覆う。目はオレンジ色。体長約55cmで東海岸の熱帯雨林地帯に棲息している。
ブラウンキツネザル / ュラフビートル(キリンカブトムシ) / 夜行性のイタチキツネザルマダガスカル動物図鑑
今から約1億6500万年前にアフリカ大陸から分離したマダガスカルには、世界の他の場所では見られない独自の生態系が息づいている。特に50種類棲息していると報告されているキツネザルは、マダガスカルを代表する「珍獣」であり、現在も毎年のように新種が発見されている。
キツネザルは生物学上原猿類として分類されており、チンパンジーやゴリラ、ニホンザルなどの真猿類と区別されている。簡単に言うと猿に進化する前の原始的な猿という見解だ。われわれ人間の遠い祖先とも言われている。
マダガスカルホシガメ/甲羅に鮮やかな放射状の模様があり「最も美しいリクガメ」と言われている興味深いのは、50種類ものキツネザルはすべてマダガスカルにしかいな固有種であるということ。その一方でマダガスカルの陸上哺乳類には、霊長目、食肉目、齧歯目、食虫目というたった四つの目があるだけ。これほど哺乳類の分類群が少ないことと、キツネザルのようにその固有種の割合が高いことは、マダガスカルの哺乳類相のもっとも際立った特徴と言える。
マダガスカルのキツネザルのように狭い範囲で比較的短期間にさまざまな系統に分岐していく現象を「適応放散」という。恐竜が絶滅したあと登場したマダガスカルの動物たちには、その生存をおびやかす天敵がいなかった。そのため特定のテリトリーに落ち着き、その環境にだけ適応するゆるい進化をとげてきたのだ。
同じような適応放散の例として、ガラパゴスのダーウィンフィンチや、ハワイのミツスイが有名だ。しかしダーウィンフィンチが13種類、ハワイミツスイが12種類(ハワイミツスイはかって50種類以上が観察されたいたが環境の変化により多くの種が絶滅し現在は12種類のみとなっている)亜種がいるのに対して、50種類のキツネザルがいるマダガスカルはやはりスケールが違うと言える。
残念ながら適応放散によって進化してきた生き物は環境の変化に弱い。観光客と人口の増加による環境破壊により、ハワイミツイやガラパゴスのダーウィンフィンチたちは、今、種の存続が重大な危機にさらされている。文明の波がまだハワイやガラパゴスほど及んでいないマダガスカルでも、アイアイなど一部の種は絶滅が懸念されている。
「あの歌に出てくるお猿さんは、もうこの星にはいないのよ」
母親がこどもたちにそんな悲しい説明をしなければならない日は、もうすぐそこまでせまっているのだ。
リーフテイルゲッコー / トマトガエル / パンサーカメレオンカメレオン
キツネザルと並んで、マダガスカルを代表する生き物がカメレオンだ。マダガスカルには世界最大のカメレオンと最小のカメレオンなど、世界の3分の2のカメレオンが棲息している。 目は360度回り、体の色を変えることができ、舌を長く伸ばして瞬時に獲物を捕まえる。男の子はこのカラフルで不思議な生き物が大好き。マダガスカルでは道端やホテルの庭で、普通に見かけるからたまらない。マダガスカルの不思議
マダガスカルの最も不思議なところは、なぜそこに猿がいるのか?ということ。マダガスカルがアフリカ大陸から分離したのは、約1億6500万年前と推定されている。しかしその時代、猿の祖先はおろか、ほ乳類の遠い祖先さえ、まだこの地球上に存在していなかったのだ。つまり大陸から切り離された当時のマダガスカルには、現在の猿やほ乳類の直接の祖先はいなかったことになる。
は虫類がマダガスカルで独自の進化をとげたという説もあるが、その進化を証明する生物の化石は発見されていない。
一番有力な説は、大陸から流木などに乗って流れ着いた動物が、生き残って進化したとうもの。しかしアフリカ大陸とマダガスカルの間には、400kmもある世界で一番幅の広いモザンビーク海峡が横たわっている。生き残って進化をとげるくらい大量の生き物が、流木に乗って海をわたってきたという考えは、無理があるのではないだろうか。
キツネザルは、星の王子様がどこか宇宙の他の星から連れてきた、ということにしておこう。
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