ウルバンバに泊まる3つの理由〜ホテル&スパ・サンアグスティン
ペルー子連れ旅行(長男中1、次男小4)滞在4日目。早朝のフライトでクスコへ到着し市内、近郊主要観光スポットを見学した我が家は、送迎車でウルバンバへ移動します。この編では、ウルバンバのホテルや聖なる谷の様子を紹介します。
前の旅行記:ペルー子連れ旅行記〜世界遺産クスコ観光編・アルマス広場・太陽神殿・ロレト通り・サクサイワマン遺跡
クスコを起点に
クスコの中華料理店「チーファ・スィーチョワン」で夕食をいただいたあと、ホテルミドリに戻ります。これからのスケジュールがちょっとややこしいのでここでもう一度を簡単に整理しておきましょう。今わたしたちがいるのはクスコのホテルミドリです。今夜はここからおよそ80km離れたたウルバンバにあるホテルサンアグスティンに泊まります。そして明日はインカ鉄道でマチュピチュへ行き、マチュイチュ村で1泊。
その翌日クスコに戻ってきてこのホテルミドリに1泊。そのまた翌日に今度はクスコからチチカカ湖へ向かいます。ホテルミドリに泊まるのは結局明後日の1泊だけなんですが、クスコを起点に移動するためその都度利用させてもらうのです。ではなぜ今夜このままクスコに泊まらず、80kmも移動してウルバンバへ向かうのか?その理由は以下です。
ウルバンバに泊まる3つの理由
1)クスコからマチュピチュ行きの列車に乗るためには、かなり朝早く起きなければいけません。今夜のうちにウルバンバまで移動しておけば、明日の朝はクスコよりおよそ80kmマチュピチュに近いオリャンタイタンボ駅から少しゆとりを持って列車に乗れます。そもそもマチュピチュ行きの列車が出発するのはクスコ市街地から相当離れた場所にある駅です。(ポロイ駅)
2)ウルバンバはクスコより標高が約550m低いため高山病のリスクを減らすことが期待できます。
3)世界的な観光地クスコよりウルバンバのほうがホテルの宿泊費が少し安いということもあります。
こんな理由から今夜はクスコではなくウルバンバまで移動することになったわけです。3日後にホテルミドリに戻ってきて宿泊するので、大きな荷物はここに残して行きます。
ウルバンバへの道のり
さて、ホテルミドリに戻ると送迎車のスタッフがわたしたちの「小旅行」用の小さな荷物を車に積んで待機していました。
「準備がよろしければすぐに出発できます」
夕食も終ったしこどもたちを早く寝かせるためにも今夜のホテルには早く到着したいので「じゃあお願いします」と言って送迎車に乗り込みました。
クスコからウルバンバに向かう途中の車窓を楽しみにしていたのですが、クスコを出ると、車のヘッドライト以外明りが見えることはなくただただ漆黒の闇が続くだけです。そんな中坂道をくねくね登ったり下ったりするのは、スペースマウンテンのようなスリルがありました。あとで地図を見ると、わたしたちはクスコから西へ向かいやはりマチュピチュ行きの列車が停車するポロイの少し先で北へ進路を変更したようです。
そこから標高3760mのチンチェーロの町を通過し、一気に1000メートル近く降下して標高2871mのウルバンバの谷へ向かうのです。80kmの距離、それもかなりくねくねの山道でしたが、そりゃーもう飛ばして来ましたから1時間ちょっとで、ホテルサンアグスティンウルバンバに到着できました。
ホテル&スパ・サンアグスティン・ウルバンバ
チンチェーロからヘアピンカーブが連続する坂道をおよそ1000メートル下って、ウルバンバ川を渡ると前方左手に町の明りが見えてきました。どうやらウルバンバの町に到着したようです。橋を渡ったら左折し川沿いに走るフェロカリル通りを西へ進みます。そのあと1分もたたないうちに車は停車しました。
「ホテルに到着しました。お疲れ様でした」
車を降りると川のせせらぎが聞こえてきました。そしてどこか緑の香りを含む夜風はちょっとひんやりとしています。今夜わたしたちが1泊するホテル&スパ・サンアグスティン・ウルバンバはウルバンバの町の一番南端の川沿いに建てられた屋外プールと庭園のあるリゾートホテルです。ウルバンババスセンターからは200mほど東に位置しています。
客室数は72で、聖なる谷とウルバンバ川の美しい景色を眺めることができます。また周囲にはマラス塩田、チンチェーロ、オリャンタイタンボ、モライ遺跡などの観光地があり宿泊の起点として利用するにも便利な場所です。
フロントデスクは24時間対応、バー/ラウンジ、コンシェルジュサービスもあります。またラウンジには暖炉やビリヤード台があります。高原リゾートのロッジ風な作りになっています。
上の写真は客室の様子です。部屋は建物の奥のほうにある、川に近い1階の部屋でした。1部屋の定員が2名までなので家族4人の場合、2部屋取らなくてはいけません。コネクティングルームはありませんがとなり同志の部屋ならバルコニーで行き来できます。
バスルーム&トイレです。質素ですがきれいでお湯もよく出ます。さっとシャワーを浴びて翌朝にそなえて早く寝ました。
到着したのが夜だったのでまわりの景色がまったくわかりませんでしたが、翌朝起きるとこんな素敵なロケーションだったのにビックリ!小鳥のさえずり、川のせせらぐ音、花と緑の香りのそよ風、まるで天国のようシチュエーションに感激しました。
今日はいよいよマチュピチュへ向かいますが、その前に朝食をいただいて腹ごしらえをしましょう。
インカの聖なる谷・子連れ観光の見所
クスコの北側を東西に流れるウルバンバ川沿いの渓谷は「インカの聖なる谷」と呼ばれています。スペイン人によるクスコ陥落後、徹底抗戦を展開するインカ軍の拠点となったことで歴史に名を残しいますが、曲がりくねったウンルバンバ川の恵みを受け、インカの末裔が今も生活を営むのどかな田園風景を見ていると、とてもそんな戦争がおこなわれた地とは思えません。
5000メートル級の山々に囲まれ、温暖で緑の多いウルバンバの谷は、その美しさから地元の人たちにとって保養地として人気があり、多くのリゾートホテルやレストランが点在してます。またクスコより標高が低く、マチュピチュに近いため、外国人観光客にとってもマピチュチュを訪れる際の宿泊地として隠れた人気となっています。インカ帝国の中枢をなした遺跡や村々が今も佇むウルバンバの聖なる谷の見所をご紹介しましょう。
■チンチェーロ
標高3762m、クスコよりさらに高い場所にあるインカ時代の遺跡。かって帝国の重要な要塞でしたが、基底部だけを残して今はその上に教会が建っています。チンチェーロの村にはインカ時代に作られた水路があり、村人たちの大切な水場として利用されています。
■マラス塩田
プレインカ時代から続く塩田。谷の傾斜を利用しておよそ4000枚の棚田が連なります。真っ白な塩田が見られるのは4~9月の乾期だけです。塩田で採れる天然塩はおみやげにもおすすめです。
■オリャンタイタンボ
聖なる谷の中で最大の遺跡。山の急斜面に石組みのアンデネスが築かれ最上部には太陽神殿と言われる巨石が並ぶ広場があります。またインカ時代の天体観測場、水路、貯蔵庫などが残っています。
■ピサック
民芸品を扱う屋台がずらりと並ぶ民芸品市が日曜に開催されます。またピサック遺跡には太陽を利用したカレンダー、セメンテリオ、段々畑、見張り台、太陽神殿などがありミニマチュピチュのような景観です。
■モライ
モライとはケチュア語で「丸くへこんだ所」という意味です。段々畑を作りながら円形に掘り下げられた遺跡は古代ヨーロッパの円形闘技場や円形劇場を連想させます。現在4つの遺跡が発見されており、最大のものは円の直径が100m、深さも100mという規模です。
聖なる谷巡りツアー
聖なる谷に点在する遺跡や見所を巡るのはツアー参加がベストです。一般的なツアーはクスコを朝9時に出発し、ピサック、カルカ、ウルバンバ、オリャンタイタンボ、チンチェーロなどをツアーバスで巡ります。戻りは19時頃、ランチ付きで料金は1人20ドル前後といったところです。
またウルバンバ川をボートで下るラフティングツアーや、渓谷、インカ道などを歩くトレッキングツアーもあります。
*400mの断崖絶壁にある近年話題のあのホテル「The Skylodge Adventure Suites」も聖なる谷ウルバンバにあります。私たちが宿泊したホテルサンアグスティンのすぐ近くです。残念ながら我が家が旅行したときはまだこの断崖絶壁ホテルはオープンしていなかったので泊まることは出来ませんでした。
さあ、今日はいよいよマチュピチュへ移動する日です。今朝もまた早くからお迎えが来るため5時半に起床しました。部屋を出ると中庭を囲む外廊下に長イスが置かれ美しい景色にとけ込んでいます。
ホテル&スパ・サンアグスティン・ウルバンバの朝食
暖炉とソファーのあるラウンジを抜けてレストランへ向かいました。
ホテルサンアグスティンウルバンバの朝食レストラン。中庭の緑がみずみずしく映ります。早朝5時半すぎですがオープンしていました。
朝食は好きなものを好きなだけいただけるビュッフェスタイル。しぼりたてのフレッシュジュースが喉を潤してくれます。ちなみに朝食料金はツアー代金に含まれているので、別途支払う必要はありません。
手作りジャムもとっても美味しかったです。
ハッシュドポテト、スクランブルエッグ、フライドチキン。
コカ茶のティーバッグです。
「それ美味しいね」「コレも美味しいね」と会話もはずみます。美しい渓谷の景色を眺めながらゆったり朝食をいただきました。
そして朝食が終ったら、午前6時半にお迎えが来て、いよいよマチュピチュに向けて出発です!