名前の由来はちょーテキトー!マダガスカルのスーパースターインドリを探すペリネ保護区モーニングサファリ
ペリネ特別保護区
中央に背骨のような大きな山脈が横たわるマダガスカルは、地域によって気候風土が大きく異なる。ペリネ特別保護区は、1年中高温多湿なマダガスカル東海岸に位置し、豊かな熱帯雨林に覆われた深い山裾にたたずむ。地球上で最大の原猿類インドリをはじめ、11種類のキツネザル、39種類の爬虫類、36種類のカエル、その他蝶や昆虫、鳥類が数多く生息する自然と生物の宝庫だ。
ペリネ保護区を含むマンタディア・アンダシベ国立公園一帯は、首都アンタナナリブの東145kmのところにあり、車で片道3時間の距離だ。アクセスの良さから、マダガスカルで最もたくさんの観光客が訪れる人気スポットとなっている。
ペリネ特別保護区の正式な名称は「インドリ・アナラマザウチャ特別保護区」。どこをどう省略すればその長い名前が「ペリネ」になるのかよくわかりませんが、もはや「ペリネ」と言わなければ通用しないほど「別名」のほうがハバをきかせている。
インドリはスーパースター
で、正式名称「インドリ・アナラマザウチャ特別保護区」で言う「インドリ」こそ、地上最大の原猿類であり、この保護区のスーパースターだ。
「トリ」が付くからって「鳥」ではありません。ってそもそもマダガスカル語だから「トリ」が「鳥」なわけないし。
名前由来はちょーテキトー
インドリはマダガスカル語で「見ろ」の意味。現地ガイドがこのキツネザルを指差して「インドリ、インドリ」と言ったのを、同行していたフランスの生物学者が「あの生き物はインドリと言うのか、フムフム」ということで命名されたものらしい。
ってチョ~いいかげんじゃん!
ちなみにインドリのマダガスカル語でのもともとの呼称は「ババコト」。
そするとこの保護区の名前も本来は
ババコトアナラマザウチャ特別保護区
となるわけだ。はや口言葉で言ったら舌を噛むね、うひゃ〜
特徴
インドリの体長は60~70cm、長い手足を広げると、小学生4年生のカイくらいの大きさがある。けっこうデカイ。さすが最大のキツネザル。
一生の大半を樹上ですごし、一夫一婦型のつがいとその子供からなる家族単位で行動している。
パンダのような白黒模様と、他のキツネザルには見られない短いしっぽが特徴。
それから朝になると群れ全体で大きな音声で大合唱をすることでも有名。
その声は空襲警報のサイレンのように頭上から降り注ぐ。森にこだまする部族の太鼓のようでもある。2km先までとどくというからその音量の大きさが想像できるでしょう。
昼行性のサルだが、早朝ほど遭遇するチャンスが高い。ペリネはタナから日帰りで訪れることも可能だが、インドリと遭遇し大合唱を聞くには、泊まったほうがいいということです。
入場料と開園時間
開園時間 6:00~17:00
入場料 1日 2万5000アリアリ(7~12才/200アリアリ)、2日 3万7000アリアリ 3日 4万アリアリ
ビジターセンター 駐車場、トイレ、屋外ピクニックテーブル、センター内には入場チケット売り場、ギフトショップ、売店と、展示場がある。
行き方
アンタナナリブから約145km。車で片道3時間。またバコナフォレストロッジからは未舗装のため、片道30分かかる。
凄腕のガイド
朝7時半にロッジを出発。こどもたちはゆうべタナの空港からロッジまでの車の中でも爆睡し、さらにロッジ到着後も爆睡しているので、睡眠時間は十分、も~元気もりもりで朝からハイテンションだ。
バコナフォレストロッジはどえりゃぁ~山奥にあるだもんで、ここからペリネ保護区まで未舗装の山道をガタゴト揺られて、30分。
ビジターセンター前の駐車場に車を止めて降りると、今日モーニングサファリのガイドをしてくれるエティエンが、ちょっとはにかみながらあいさつをする。エティエンはここでガイドをして19年という超ベテラン。
このあとわかるのだが、脅威の動体視力と野生の勘の持ち主で、珍しい生き物を次から次へ見つけてくれる。森の中を歩いていて急に立ち止まり、それから3~4歩後ずさりして、足下の葉っぱをめくり返したら、その葉の裏に小さなジュラフビートルを発見、という具合に。まるでセロのマジック並みの驚きと感動。視野どんだけ広いんだーー!
モーニングサファリでインドリの歌を聴く
ビジターセンターで入場の手続きをして、まず館内の展示スペースを見学。それから駐車場側とは反対にある保護区側の出口からいざ、サファリへGO!
ペリネでのサファリももちろん徒歩でおこなわれる。ここは起伏があるジャングルの丘を登ったり降りたりするので、普段運動不足のお父さんにはちょっときついかも。足場もぬかるんでたり砂利や石が転がっていたり、木々が元気よく茂っている中をかきわけて進むこともある。
エティエンはわたしたちに何を見たいか?と尋ねるので「もちろんインドリ」と答えると、「わかった、まかせなさい」と余裕の笑顔を浮かべる。その笑顔を見ていると、もう実際インドリが見れたようなうれしさがこみ上げてくる。
30分くらい歩いたところで、7~8人の観光客が、木の上を見てじっとしてる。
それもコースからはずれたやぶの中で。どうやらあのへんの木の上にインドリがいるらしい。
エティエンは別の角度からやぶを足で踏み固めわたしたちが歩きやすい道を作り、こっち、こっちと誘導してくれる。ついていって見上げるとおお~確かにインドリだ、4匹の家族が木の上で葉っぱをむしゃむしゃ食べてぞ。もうそれだけで感動して写真を撮る。でもちょっと角度が悪いか。写真を撮るためのベストポジションは先客に押さえられている。
でもここからでも十分と思って観察していたら、エティエンが急にこっちこっちと手招きをする。もっと見やすい場所があるのかなと思いながら付いて行くと、インドリとはぜんぜん関係ない方向へ進んで行く。しばらくしてここだ、と言って立ち止まる。するとどうだろう、さっきのたインドリの親子がわたしたちのすぐ頭上にやってきたのだ。おお~いったいどうなっているんだ!これまたセロのマッジク並みにビックリ!
このあともインドリがジャンプするちょっと前に場所を変えて、先回りでインドリベストポジションを確保する。どうやらエティエンには長年の勘でインドリが次にどこへ移動するのかわかるらしい。インドリは体長が大きい上、相当大きなジャンプをして木から木へ飛び移るので、地上からそれを後追いしていたのでは追いつくのがタイヘン。わたしたちのように先周りできればほとんど息も切らさずいつもベストポジションでインドリを観察することができるのだ。いや~~、こんなに凄腕のガイドさんにあたって本当によかった。
それから1時間半くらい、自然豊かなペリネの森を散策、インドリの大合唱も至近距離で聞けたし、珍しい生き物をたくさん見れて、そしてさらに、みずみずしい森のパワーをもらって大満足のモーニングサファリだった。