マダガスカル航空でGO !

2019年3月1日

ボーディングブリッジを渡り、飛行機に乗り込もうとすると、

入り口のドアのところで、赤い制服を着たキャビンアテンダントさんがニコッと微笑む。

その時接続部分の隙間から、生暖かい夜風が流れ込んでくるがわかった。

ずーっと冷房が効きすぎた空港の中にいてこわばった体がゆるむ。

 

マダガスカル航空

 

搭乗

今夜わたしたちを、遥かマダガスカルまで運んでくれる翼は、マダガスカル航空11便。機体デザインとキャビンアテンダントさんの制服に使われている赤色は、マダガスカルではホスピタリティと心暖かさを表す色らしい。それからシートと社名ロゴで使われている緑色は、自然と希望を象徴しているとのこと。これから10時間半のフライトで、わたしたちは、その心温まる豊かな自然と希望に輝く大陸島、マダガスカルに降り立つのだ。

 

座席

バンコクで乗り継ぎチケットを発券してもらう時、わたしは足下が広いスクリーン前の座席をリクエストした。深夜の長距離フライトでは、足をゆったり伸ばせるのはとてもありがたい。もらったチケットによると、わたしたちのシート番号は20のC、D、E、F、となっている。

これって、本当にスクリーン前かな?

おそるおそる番号を探しながら通路をすすむ。すると、おお~~、あったーー、本当にスクリーン前だ。よかったーー。でもシート配列が2-3-2なので、C、D、Eがスクリーン前で、Fは通路をはさんだ並びの席になっている。さらにスクリーンの壁の幅が狭くて、実際座ってみるとCとEの席は、半分通路にはみ出しているような状態でどうも落ち着かない。でも幸いなことに、この日の搭乗率は6割くらい。まわりに誰も座らなかったので、結局こどもたちは、21と22のC、D、Eのシートに、横になってぐっすり眠ったまま移動することができた。

 

これから搭乗します

 

レユニオン

飛行機は定刻通り深夜1時10分にバンコクを飛び立ち、インド洋を横断して、一路マダガスカルを目指す、のかと思ったら、まずレユニオンに寄るんだって。ええ~~なんじゃそりゃぁぁ~~。レユニオンってどこですかーー?

レユニオンはモーリシャスのすぐとなりにある島国。正確には独立した国家ではなく、フランスの海外県という位置づけの島だ。モーリシャスとは距離も近く、島の大きさも似ていることから「姉妹島」と呼ばれている。ところがお互いの島の地形はかなり異なっている。あまり高い山のないモーリシャスに対して、レユイオンには3000メートル級の山々が連なり、どこか地球離れした景観が広がっている。離着陸のとき飛行機の窓からちらっと見ただけだが、ワイルドな自然が残る魅力的な島という印象を受けた。

 

レユニオン空港に着陸

             レユニオン空港に着陸

 

機内食

さて、飛行機が離陸するとすぐ夜食のサービスが始まった。でも現在深夜1時過ぎだぜ、そんでもって日本では午前3時をまわってる。おまけにバンコクの空港で、フィッシュボールヌードル食べちゃってますから、そんじょそこらのものではもう体が受付けません。そう身構えてるわたしの前に出て来た料理は、シーフード焼きそば。え?って言うか、あれぇぇ~~!おいちい!だはははーーやだなーこれ反則だよ。全部食べてしまうじゃないかー。やめろよーー。ひかえめでさっぱりした塩味が、なつかしくもあり、緊張がゆるんだ胃袋に、怒濤の勢いでなだれ込んでくるのだった。

となりを見るとママも、はふはふと夢中で何か食べてらっしゃる。のぞきこむどうやら夜食のもうひとつのチョイス、チキンの甘辛煮のせライスをいただいてるようだ。どれちょっとちょうだい、と言うと、えーダメだよー、と珍しく渋る。いつもなら美味しいからこっちも食べてみる?って言うくせに。よっぽどお気に召したに違いない。

それでもなんとか一口もらってほうばる。

う、うははは!これやばいわ。こんなん夜食に出したら、あんた、一種のテロ行為でしょー。ママも、わたしの焼きそばつっついて、これも美味しいじゃんと叫んでいる。これはマダガスカル、スゴいことになるかも!と期待に胸がずんずん高鳴るのだった。

ええ、実際、別の意味でもスゴいことになりましたが。

 

機内食の写真

   チキンの甘辛煮のせターメリックライス / これはいけません!海鮮塩焼きそば

 

マダガスカル航空について

マダガスカル航空は1962年に国営企業としてスタートした航空会社。今でもマダガスカル政府が株の大半を所有するが、一応民間の航空会社だ。マガダガスカルの首都アンタナナリブを拠点に、国内40都市と、海外は、パリ、ミラノ、バンコク、ナイロビ、ヨハネスブルグ、モーリシャス、レユニオン、モロニ、マイヨットに路線を運行している。

2003年、ヨーロッパ航空局より、JAR-45認証を獲得。ヨーロッパ域内への運行が認められている、立派な航空会社なのだ。

フリークエントフライヤープログラムはNAMAKO。2003年8月からおこなっているが他社との提携はない。

正規割引運賃は予約から72時間以内に発券するタイプと、通常のタイプがあり、料金には2割程度違いがある。予定が決まっているなら少しでも安く買ったほうがいいだろう。

今回マダガスカル航空にしたのは、料金が安かったから。それと国内移動でもマダガスカル航空を利用予定すれば、ディスカウントになるから。

 

機内の様子

     マダガスカル航空の機内の様子

 

ついにマダガスカルに到着

バンコクからレユニオンまでの飛行時間は約8時間半、レユニオンでおよそ1時間待機したのち、ふたたびアンタナナリブを目指して離陸する。レユニオンでの待機中は、乗客は飛行機から降りることはできない。止まっている機内で1時間も待っているのはけっこうきついな~。もう外は明るくなっているので寝直すことも難しい。

さらにレユイニオンからたくさん人とが乗ってきて満員になてしまう。うぎゃーー。

レユニオンを飛び立つと朝食のサービス始まる。そしてそれからおよそ1時間で飛行機はじょじょに高度を降ろし、いよいよマダガスカルの首都アンタナナリブの町が見えてきた。山合いの盆地のような地形の中に、緑がまぶしい水田が広がっている。ああー、もうすぐ到着だ

そうしてついに現地時間午前7時50分、朝もや立ちこめるイトヴァ国際空港に、わたしたをのせた11便は、静かに着陸したのだった。