イースター島観光のハイライト・モアイの製造工場ラノ・ララク

2019年2月1日

ラノララクで子供達たちと記念写真

永遠の昼休み

「さあーお昼休み終わりにしよう!」

リーダーの合図で、そのへんの草かげから休んでいた石工たちがぞろぞろ現れ午後の作業を開始する。

モアイ製作現場だったラノ・ララクを訪れると、

そんな光景が目の前でおこっても、違和感を感じないかもしれない。

つい今しがたまで石斧をふる音が響き、

人々が黙々と作業をしていたかのようなモアイの石切り場。

ちょっと休憩したままの状態で、

数百年もたってしまった不思議な空間は、

イースター島観光のまさにハイライト

と言えるスポットだ。

モアイの森

ラノララクを子供達と見学する

ラノ・ララクには、

製作途中や運搬途中のまま放置されたモアイが

400体も「転がって」いる。

いや、転がっているのではなく、

土に「刺さった」

ような状態で立っている

と言ったほうが正しいかもしれない。

不規則な角度で地面に「ささっている」モアイたちは、

森の木々たちのようにそこに「生えて」いて

その間を歩くとまるで

モアイの森

をさまよっている気分だ。

さらにそのすべてのモアイに

名前がつけれている

というから驚く。

モアイ製作が「発注」されたときから

すでにそのモアイには名前がついていたということか。

お墓に掘る戒名みたいだ

ラノララクを見学する子供達 ラノララクのモアイ

モアイの製造方法

作業がある日突然中断したままの状態、

というのは、実は

モアイ製作の手順を知る大きな手がかりになっている

石切り場に残された様々な作業過程から、

モアイは石柱のようなものを削って作られたのではなく、

岩の壁をくり抜いて作られた

ということがわかる。

敦煌の大仏や、

タリバンによって破壊された、バーミヤンの石仏像のように。

敦煌やバーミヤンと異なるところは、

モアイの場合最後に

壁から切り離されて運ばれたという点だ。

ラノララク遺跡の入口 ラノララクとは働く山という意味 ラノララクのトレイル

          ラノララク遺跡の入口 / ラノララクとは「働く山」という意味 / 子供も楽しいトレイル

ラノ・ララク

ラノ・ララクは、火口湖をもつ火山で、

東南の斜面が岩の壁になっておりそこがモアイが削り出された石切り場だ。

一帯にはトレイルが整備されていて、火口湖や山の頂上まで行くことができる。

探検気分を味わえるコースはこどもたちにも楽しい。

注意しなければならないのは、

ここで写真撮影する場合、

日中のほとんどの時間帯で逆光になるということ。

季節によっては、

夕方に訪れれば逆光にならない可能性があるが、

そのためにはレンタカーを借りて行くか、

プライヴェートツアーを申し込むしかない。

トレイルの出口にはピクニックテーブルやトイレがある。

また露店がたくさん出ており、おみやげ探しにも都合がいい。

多くのツアーは、ここで昼食をとる。

ラノララクのモアイ  

謎とロマンのふしぎ空間

最近の研究によって、

当時のイースター島に存在していた素材だけを使ってモアイを運ぶ方法が、

少しずつ解明されはじめている。

そして一般的な大きさ/重量のモアイは、

その方法で数十キロ離れた場所まで移動し、

アフの上に立てることも可能だったと推測されている。

しかし、ラノ・ララクに残されたモアイのうち、

大きなものは、

高さ22メートル、

7階建てのビルに相当し、

重さは400トンもある。

ここまで大きなものを動かすことは、

やはりどうしても不可能とされており、

そうであれば、

もともと運ぶつもりのないモアイが何体か作られたのではないか?

とも思えてくる。

だとしてもそれは何のために?

さらに、切り立った外輪山の内側、

火口湖のまわりにも

数体のモアイが放置されているのを見ることができる。

まるでモアイが気まぐれに

湖までピクニックに行ったような光景だ。

ラノ・ララクは、

地球上でもっとも謎とロマンに満ちた場所

のひとつと言えるだろう。

モアイの石切り岩 ツアーガイドさんと 座っているモアイ

            モアイが削り出された岩壁 / 日本人ガイドのkさんと / 座っているモアイ