エレファントサファリ子連れ体験記〜プーケット

2019年6月10日

象の首にまたがる長男
象の上から見るとこんなに高い

💓サワディークラッ!マリンスポーツ歴40年のイルカパパです。

今回は小2と小5の子連れ家族4人でちょっと変わった個人手配プーケット旅行に来ています。滞在4日目は、大技を使ってホテル移動の交通費を無料にしたうえ、エレファントサファリ(象乗りトレッキング)に挑戦します、とりゃぁ〜〜

エレファントサファリ

プーケットで子連れエレファントサファリ

カオラックメルリンリゾートを出発してしばらく走ると、あたりは深い森になった。

美しいカオラックビーチからほんの数分のところに、こんな緑豊かな山があるのは驚きだ。

車は、対向車が来たらすれ違えないような細い山道を登って行く。

木々の間から差し込む眩しい日差しに目を細めながら、窓に流れる景色をぼんやり眺めていたら、突然が森が開けた広い場所に出た。

どうやら本日の豪華3本立てエクスカーションの最初のアクティビティ、「エレファントサファリ」のスタート地点に到着したようだ。時計を見るとホテルを出発しておよそ40分経っていた。

いざ出発

象乗り場
象乗り場の小屋 / 小屋の2階から象に乗るよ / いってらっしゃ~~いと手を振るスタッフ

車から降りると柵で囲まれた広場にたくさんの象が見える。「あれに乗るの?」と早くもボルテージMAXのこどもたち。ではさっそく始めましょうということで、プラットホーム代わりの茅葺小屋に案内される。2階に登ると、壁のない四角い部屋。3方には大人の腰くらいの高さまで柵があるのだが、象がいる広場に面した縁だけ何もない。

「あそこへ行ったら下に落っこちちゃうじゃないかー」と思っていたら、そこにわたしたちが乗る象がやって来た。象の背中にはイスが備えてあり、そのイスに乗るには、この建物の2階はちょうどいい高さなのだ。

「へ~、なるほど、よく考えてありますね」

感心しながら立っていると、「この象には誰が乗りますか?」みたいは目で係のおじさんがわたしたちを見る。どやら1頭の象に2人乗るようだ。じゃあ、ママとリュウが前の象さんに乗って、わたしとカイで後ろの象さんに乗ろう。建物から象の背中に置かれたイスに移るのはちょっとこわいけど、象は身体をぴったり建物に寄せてくれている。

ここは大きな心で象さんを信用して、ひょいと飛び移ろう。それっ!お〜なんだ、ぜんぜん問題ないじゃないか~。じゃあ、みんな象の背中に乗ったら、出発だ!ひゃっほー。

人間と共存するアジアゾウたち

スリル満点の象乗りトレッキングツアー

おじさんの説明によると、これからジャングルの中を象の背中に乗ったまま40~50分くらいトレッキングするらしい。わたしたちを乗せてくれる象の名前は、ヌイとサグアン。ヌイは5才で、サグアンが40才。どちらもメスのアジアゾウだ。それぞれの象の首のつけねのところに象使いのおじさんがまたがって象を誘導している。

象はとても頭のいい動物で、ミャンマーでは千年も前から人間と共存しているという話しを、テレビのドキュメンタリーで見たことがある。森の中で重たい木材を象が運び、人間はその象に餌をあげたり身体を洗ったりして世話をする。

しかし象は人間に飼われているわけではなく、1日の仕事が終わると森に帰っていく。そして朝になると象使いの家に「出勤」してくるのだ。驚いたことに、象が病気になったり、年老いて森の仕事が出来なくなっても、象使いたちは死ぬまでその象の面倒を見ると言う、へぇ〜〜。

退職後の年金や医療サービスまでついている勤務形態なわけで、象はそのこと知っているのか、現役時代はまじめに働くのだと言う。ここプーケット/カオラックでも、その慣習というか信頼関係にちかいものが人間とゾウの間に絆としてあるのだろう。

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歩幅が大きいから

象使いのポジションに座ったカイ

さて、象乗り場がある広場を出て森に入った途端、ものすごいでこぼこ道になった。おまけに地面がぬかるんでいて、大きな水たまりがそこかしこにある。ぬかるみに足を取られてっすってんころりんと滑ったら大変だ。

象の歩みは非常にゆっくりしているように見える。でも1歩の歩幅が大きいため、一瞬にしてスゴい距離を移動する。

わたしたちはこのあとボルネオで象に襲われることになるのだが、この時象の歩幅と瞬間移動の感覚を体験していたおかげで、早めに対処してことなきを得ることができたのだ。何事も経験から教訓を積むことは大切ですね。プーケットの象もボルネオの象も、大きな分類で言えば同じアジアゾウということになる。

しばらく森の中を進むと今度は下り坂になった。

「ひゃぁ~~」「ひえぇぇ~~」

下り坂は乗り手にとってものすごいことになる。まるで90度の壁におしりをくっつけてふんばっているような感じ。そして象が着地する時の振動がまたすごい。ズシ~~ンという揺れが頭の先まで伝わり、しっかりつかまってないと、本当に落っこちちゃうぞ!と言ってもそのしっかりつかまるところがないんですけど(汗)。

昔テレビのクイズ番組で質問に回答できないとすべり台の角度が上がり、最後には回答者が滑って落ちるというのがあったが、まさにそんな感じ。たまらないスリルに、はぁ~、象ってでっかいね、と改めて感心するのでした。

象使いに変身

川の中を進む
前方を進むママとリュウを乗せた象

坂を下る途中で、突然象使いのおじさんが象から降りちゃった。そしてカイとリュウにむかって象の首もとを指差しながら何か言っている。どうやら象使いおじさんにかわってこどもたちが象使いになれと言っているようだ。ええ~~そんな無茶じゃないですかー!

でもこどもたちは興味津々で、ひょいひょい背中のイスから象の首もとに移動。そして首の付け根をまたぐように座ってポジションチェンジ完了宣言!っておいおい、本当に大丈夫?

「おお~やばい!めっちゃ怖い!でもおもしろい!」

こどもたちは身体のバランスと足で象の首もとを締め付ける力で、なんとか落ちずにすんでいるようなものだけど、めったいにできない体験に大興奮の様子。そして驚いたことにこどもが乗っても、プーケットの象はちゃんと言うことを聞いて歩き始めるのだ。時々、立ち止まって道端の草木をもしゃもしゃ食べ始めたりしますが。

カメラ使いの名手なわけ

大きな石がごろごろ転がっている川の中を進む象

カイとリュウが象使いのポジションに乗った象は、ジャングルの密林の中を下り、ぱっと前方の視界が開けたと思ったら大きな川に出た。そしてそのままじゃぶじゃぶと水しぶきをたてながら川の中へ入ってゆくではないか!

だ、ちょっ、待った!いくらなんでもやばいよ、これは。川の流れはけっこう早いし、大きな岩がごろごろしてる。象だって足を踏み外したら転んじゃうんじゃないか。

も~はらはらどきどき。それでもおかまいなしに象はどんどん川の中を進んで行く。いっしょに平行して川の土手を歩いている象使いのおじさんが、カメラとビデオをこっちによこせと言う。

え~、象が転ぶ危険性があるからとりあえずカメラだけ預かっておくということですかーー。そうじゃなく、わたしたちが象に乗っている姿を岸から撮ってあげようという配慮でした。

道端の草を食べる象、これぞ本当の道草!

オオ、ありがとう。しかもカメラの扱いがメチャクチャ上手い。おじさん相当やってますね。そりゃー毎日プーケットのツアー観光客相手にここで写真を撮っていたらうまくもなりますね。

象使いがカメラ使いですかー、はっはっは。

帰還

あっ、また道草 / 無事ステーションに戻ってきました

しばらく川の中を歩いたあと、再び陸に上がり、それからまた密林の中を登り始める。わたしたちも余裕がでてきたので、森の香りや鳥のさえずりなんかも穏やかなBGMとして楽しめるようになっていた。

さらに森の中を歩いたあと、最初に出発した象乗り場ステーションに戻って来た。

結局こどもたちは最後まで象使いのポジションに座りっぱなし。少しだけ自信がついて得意げな顔になった象乗りトレッキング体験だった。

エレファントサファリ終了
おかえりなさ〜い

プーケットエレファントサファリツアーのスケジュールと内容

8:20 ホテル出発
9:00エレファントサファリ(約1時間)
10:30滝壺ジャングルウォーク
11:30 ラフティング(約1時間)
13:00サファリキャンプでランチ
14:00 サファリキャンプ出発

象に餌をあげる

象に餌をあげるリュウ
象に餌をあげるリュウ

「いや~楽しかった!」「けっこうスリルあったよね」

象乗りトレッキングから戻って来ると、象使いのおじさんが今乗ってた象さんたちに餌をやってくれと言う。エエ~そんな楽しげげなことまでやらせてもらえるんですかーー!大喜びでおじさんの後について行くと、階段を降りた先に突然バナナの売店が出現。???、さっきこんなもんあったっけ?バスケットに2房よりちょっと多い数のバナナが入っている。

象の餌やりもアクティビティに含まれているのかと思いきや、バナナは別料金のようだ。身構えて値段を見るとバスケット1杯で50バーツ、日本円にして120円くらい。な〜〜んだ、そんなに安いんだったらノープロブレムですよ。一瞬でもぼったくられたと思った自分が恥ずかしい(汗)

餌のバナナを買う
突然出現したバナナの売店 / けっこう重いぞ / おれが先にあげる

その場でタイバーツの現金で支払ってバナナを買う。

「ケンカしないで仲良くあげろよ」

さっそくリュウが、バナナを1本バスケットから取り出し、ゾウの鼻が届くとろこで皮をむこうとする。するとゾウは待ってられないとばかり、リュウの手からバナナをむりし取り、鼻をくるくる丸めて皮がついたまま口に放り込んだ。

「あ、すげー食欲」

「こりゃーやりがいがある」

今度はカイがバナナをバスケットから取って皮をむこうとるすると、象の鼻がまたまたビュ~~ンと伸びてカイの手からバナナを取り上げてしまった。

「けっこうお腹減ってるんだね」

「皮がついたままでも平気なんだよ」

象は皮のついたままのバナナを美味しそうに食べる。それがわかったから、もういちいいち皮なんてむいてない。皮がついたまま差し出すと、象は見事なまでの手さばきならぬ鼻さばきで、こどもたちの手からバナナを奪ってはぽんぽん口に運ぶ。

「うひょぉ~~、これは楽しい!」

「ぼくたちを乗せてくれてありがとう、いっぱい食べてね」

予想もしなかった楽しいアトラクションに大興奮のこどもたち。とうとう最後の1本もあげて、バナナを全部使い切った。象さんたちはもっと欲しそうな表情だったが、わたしたちの送迎車はエンジンがかかっていて、すぐに出発するらしい。

「ああ、もう行かなくっちゃ」

「ばいばい象さん、ありがとう!」

なごり惜しむように象たちに手を降ってそのまま車に乗り込む。みんなの笑い声は遠く谷の向こうまで響き渡っていた。

象にバナナをあげる子ども達
最初は恐る恐るのリュウ / バナナを渡すカイ / ああ、上手に鼻を丸めて食べるんだね

子育てコラム~お手伝いの効用

象に餌やりの話が出たので、今日は子育てにおける「お手伝い」の効用についてお話しましょう。

最近はこどもに家事を手伝わせる家庭がぐっと減っているようです。理由を聞くと、こどもに家事を手伝わせるなんてかわいそう、とか、勉強や習い事で忙しい、というご意見が多いようです。でもお手伝いの効用を考えると、それはとんでもない間違いです。子供にお手伝いをさせないことが本当にかわいそうなことなのです。

先日、我が家のこどもたちが通っていた幼稚園の園長先生とお話する機会がありました。園長先生はもう40年くらい前から今の幼稚園を経営されているのですが、最近の若い先生の、仕事の飲み込みの鈍さを嘆いておられました。原因は「家庭で大切に育てられてきたため、お手伝いなども家でしたことがないから」だとおっしゃっています。

こどもの時から家の手伝いをしたことがないから、社会人になっても仕事の効率や段取りが悪い、とのこと。昔の先生なら1を伝えれば10を理解する、というのが当たり前だったのに、今の若い先生は10を伝えてやっと1を理解する、という状況らしいです。

家庭でのお手伝いには、まず仕事をすすめる段取り力を養う効果があります。園長先生がおっしゃるように、こどもの頃から家庭で日常的にお手伝いをやってきた子と、そうでない子には、社会人になってから使い物になる、ならないくらいの差が生じてしまいます。

また誰かの役に立つ喜びは、こどもの意欲や向上心を培います。ご承知のように、どんなに塾に通って勉強しても、あるいはどんな習い事をしても、そもそも意欲や向上心が乏しければ勉強も習い事も身に付きません。こどもが成長しさまざまなことを吸収していくうえで、意欲や向上心はとても重要なファクターなのです。

こどもにやらせると、かえってめんどうとか危なっかしい、からという理由でやらせない親もいます。でも心配するのは最初だけ。小さな成功を褒め、やっているうちにうまくでできるようになり、それが自信になり、さらなる意欲がわいてくるのです。

子ども達が渡すバナナをむしゃむしゃ食べる象

もう一度まとめると、

こどもに家のお手伝いをさせることは、こどもの意欲や自信、仕事をすすめる段取り力、等を養うすばらしい効果があります。

さらに親子のコミュニケーションやこどもの生活力アップにもプラス。

さらにさらに、お手伝いには、こどもの自立心を養う、という効果もあります。

🐬受験で成功する子は「自立した子」とよく言われますが、何も受験だけでなく、自立心はその後の人生において、すばらしい成果を納めるのに必要不可欠な素養といえるでしょう。このように素晴らしい効果が期待できる家事を、めんどくさがらず、親子で、もちろんパパもいっしょに楽しみながら参加しておこないましょう。

旅行中なら子供に自然な形でお手伝いをしてもらう機会も多いでしょう。これも旅育の効果を高める方法です。

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エレファントサファリまとめ

自然豊かなジャングルや川の中を象の背中に乗って探検するエレファントサファリはプーケットならではの人気アクティビティです。子供はもちろんですが大人も大満足できる内容でした。

トレッキング終了後に乗せてもらった象さんたちにバナナをあげるのも心がなごみます。

家族で思いっきり楽しめて一生の思い出に残る体験でした。

この記事があなたの子連れプーケット旅行の参考になったならとても嬉しいです。

それではまたお会いしましょう、ボンヴォヤージュ!

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