古代アゴラ子連れ観光の見所とソクラテスの教え
ども、カリメーラ、子連れ海外旅行をこよなく愛するイルカパパです。小2、小5の子連れでちょっとよくばりなそしてちょっと変わったギリシャ家族旅行に来ています。
アテネ2日目は午前中国立考古学博物館を見学しそのあと古代アゴラへ行きました。今回のブログ記事は古代アゴラの子連れ見学体験記を紹介します。
古代アゴラとソクラテス
国立考古学博物館を出たわたしたちは、オモニア駅に戻り、地下鉄に乗ってモナスティラキ駅へ移動。
これからアクロポリスと並ぶアテネ観光のハイライト、古代アゴラを訪れる。
アゴラとは「市場」という意味。
だが、当時は市民生活の中心地を意味し、役所や裁判所、劇場、政治、宗教、文化的施設が集まる場所だった。
古代ギリシャでは、買い物は男性の役目だったらしい。
男性たちはここで買い物をするかたわら、政治や芸術を論じたり、哲学者の思想に耳を傾けては情報交換をしていたのだ。ってそんなことしてたらたまご腐っちゃうじゃん!!
ソクラテスやプラントはじめ、多くの人々が熱い議論を交わした場所、それが古代アゴラだ。
「人は、何人に対してもその不正に報復したり禍害を加えてはならない」
~ソクラテス~
正しいおこないをすることこそ人生でもっとも価値があること
と説いたソクラテス。
それは今風に解釈すれば、どんなにお金持ちになることより、どんなに美味しいものを食べ、高価な衣服を身にまとうことより、どんなに出世することより、どんなに旅行することより、正しいおこないをすることのほうが、何倍も楽しい、ということだ。
従って不正をおこなった人は、人生で最もエキサイティングなこと=正しいおこないをすること、ができなかったので、すでに十分報いを受けている。
だからわたしたちが報復する必要はない、とうことになる。
「先生のことを中傷したり、あらぬ罪をきせようと企んでいる者たちがいます。わたしはその者たちが許せません。怒りがこみ上げてなりません」
ソクラテスをよく思っていない政治家のグループが、彼を陥れようと企んでいることを知った弟子がソクラテスに忠告する。
するとその若者に対してソクラテスはこう答えた。
「若者よ、あなたは町で目が不自由な人に出会って腹がたちますか?足が不自由な人を見て腹がたちますか?あの者たちは目や足ではなく心が病に冒されているのだ。だから怒りをおぼえたり仕返しをしてやろうなどと考えるのは間違っている」
結局ソクラテスは、その政治家たちによって裁判にかけられ死刑にされてしまう。
いっさいの著作物を残さなかったソクラテスの思想は、その後プラトンやアリストテレスなど多くの弟子たちに受け継がれ、その弟子たちの教えをさらに多くの弟子が引き継ぎ、国を超え、時代を超え、ヨーロッパのみならず現代世界にまで多くの影響を及ぼしている。
緑の風がそよぐ古代アゴラを歩くと、ソクラテスがプラトンが、今まさに木陰の塀にもたれて、講話を始めるんじゃないかと思えてくる。
ここはまさに西洋文明の発祥地と言える貴重な遺跡なのだ。
古代アゴラの主な見所
ヘファイストス(テセイオン)神殿
ヘファイストスはオリンポス12神のひとり。鍛冶を司る神で、この神殿はヘファイストスを祀ったものではないかと考えられている。
以前はテセイオンというアテネの宗主が祀られていると考えられていたが、発掘調査が進むにつれ、ヘファイストス説のほうが有力になってきている。ギリシャで最も保存状態がすばらしい神殿。
アタロスの柱廊博物館
ギリシャの遺跡のなかでただひとつ完全に復元された建築物。
古代アゴラの中でも、当時最も人通りの多い場所に建てられていた。古代アゴラで発掘された出土品が展示されている。
アグリッパ音楽堂
ソクラテスが好んで立ち寄り講話、論争したと伝えられる場所。2対のトリトンの巨像が残っている。アゴラ最大の建物でのちのローマ時代には大学としても使用された。
トロス
現在は土台のみ。紀元前6世紀にペルシャ軍に破壊された。500人からなるアテネ行政評議員の執務室だった。
大排水溝
紀元前5世紀に作られた深さ幅ともに1mの排水溝。丘からの雨水をエリダノス川へ流すための排水溝だった。ギリシャ文明の治水、都市上下水道に対する深い造詣と、高い技術を推し量ることができる遺跡。
教育と競争について
偉大な哲学者ソクラテスは恐妻家であった。
彼のもとに結婚の相談に訪れた若者に対して
「良い女性と結婚すれば君は幸福になれる。悪い女性と結婚すれば君は哲学者になれる」
と答えている、あひゃぁ〜。
これはちょとうがった味方をすれば、厳しい環境が人を育てる、と読めなくもない。(世の中の奥様ごめんなさい!)
古代ギリシャにおける都市国家(ポリス)は、互いに競争するという「厳しい環境」にあったからこそ、すぐれた芸術や学問を発展させ文明を開化させることができた。
古代ギリシャの例をみるまでもなく、人類が、いや地球上のすべての生命が発展、繁栄してきた背景には、競争が生み出す厳しい環境があったからと言える。
では子育てに競争の原理を持ち込む時、わたしたちは何に気をつければいいのだろうか?
それは、競争とうまくつきあう方法をこどもたちに教えることだ。
ご存知のように競争は両刃の剣。うまくつき合えばこどもを飛躍的に成長させる原動力になる。しかし間違ったつき合い方をすれば、こどもの成長を大きく妨げる要因にもなる。
ここでは、こどもが競争に勝った場合と負けた場合のそれぞれのケースで、注意点をチェックしてみよう。
●競争に勝った時
1)競争に勝てば嬉しい。その嬉しい気持ちをまた味わいたいから次の競争にも勝とうと努力をする。その純粋な気持ちを応援してあげよう。
2)負けた人への思いやりや気遣う心も教えてあげよう。
3)有頂天にならずに次の競争へ気持ちを切り替える自制心を養うチャンス。
4)こども時代に勝ち続けた人は精神的にモロい面もある。大きくなって一度挫折を味わうだけで、二度と立ち直れないくらい落ちこぼれて行くのだ。だから勝つ続けることのコワさを教える必要がある。
●競争に負けた時
わたしは競争は勝った時より負けた時こそ学べるものが多いと思っている。なぜ負けたのか、次はどうしたら勝てるのか、自分で反省し再生計画を立案し実行する。
その過程で競争に勝ってうかれているより、もっと貴重なことを学べるのだ。
それから競争に負けたことを「ありがたい」と思えるかどうかも大切なポイント。もし今回競争に勝っていたら自分の重大な欠点に気づかなかったかもしれない。傷が浅いうちに自分の欠点に気づかせてくれた敗北に感謝する大切さをぜひこどもに教えよう。
競争は落ちこぼれを作るから百害あって一利なしという意見がある。しかし競争に負けるという経験をしても、落ちこぼれる人と、その教訓をばねにさらなる飛躍を遂げる人がいる。
競争に負けたことをチャンスと考えれば決して落ちこぼれにはならないのだ。
つまり落ちこぼれる人は競争に負けたからではなく、
負けたという貴重な経験から何も得ることができないから落ちこぼれるのだ。
どんなに望ましくないことが起こっても、それには大きな意味があることを、こどもに教えよう!
そこから何が学べるか、これはどんなことを自分にして欲しいからおこなったのか、を考えその貴重なチャンスを与えてくれた敗北に感謝するのだ。
古代アゴラの入場料と共通チケット
古代アゴラ
入場料:大人10ユーロ 子供(18歳未満)無料
開園時間:8:00-17:00
休館日:1/1、3/25、5/1、イースター期間中の日曜日、12/25、12/26
古代アゴラの公式サイト:http://odysseus.culture.gr/h/3/eh355.jsp?obj_id=2485#=
アテネ7遺跡見学共通チケット
アテネの主な遺跡7箇所(アクロポリスとディオニソス劇場は2つで1箇所とカウント)の共通入場チケットの内容です。
共通チケット | |
メリット |
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有効期限 | 最初に使用した日から5日間 |
使い方 | 各施設1回のみ |
料金 |
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買い方 | 各施設の窓口または公式サイト |
公式サイト | https://etickets.tap.gr |
共通チケットで入場できるアテネ7遺跡
- 1.アクロポリス遺跡&ディオニソス劇場
- 2.古代アゴラ(ギリシャ時代)
- 3.ローマ時代のアゴラ
- 4.ハドリアヌスの図書館
- 5.オリンピエイヨン・ゼウス神殿
- 6.ケラミコス遺跡
- 7.アリストテレスの学校
*7遺跡の入場チケットを個別に買うと64ユーロになるので共通チケットはなかりお得です(2020年2月現在)
7遺跡共通の無料開放日:3/6、4/18、5/18、9月最終週、10/28、11/1〜3/31の毎月第1日曜日
古代アゴラの地図
古代アゴラを出たらちょうどお昼だ。ではモナスティラキ広場のタベルナでランチにしよう。
古代アゴラ子連れ観光の見所とソクラテスの教えのまとめ
古代アゴラはアクロポリスの丘と並んでアテネ観光のハイライトと言える場所です。場所はアクロポリスの丘と隣接していますが、どちらもかなり広いエリアを歩くことになるので、子連れ旅行者の場合は別々の日に分けて観光するのがおすすめ。
古代アゴラで活躍した偉人のメッセージや背景を調べて訪れたら旅育効果もぐんと高まりますよ。
このブログ記事があなたの子連れ旅行の参考になったならとてもうれしいです。それではまたお会いしましょう。