セピロック・オラウータン・リハビリテーションセンター子連れ見学

2019年4月22日

💕ども!スラマッパギ!スダッマカン?マリンスポーツ歴40年、東南アジアへの渡航歴50回以上のイルカパパです。コタキナバルから早朝のフライトでサンダカンへやってきました。これからオラウータンリハビリテーションセンターへ行くぜ!お〜〜。

サンダカン空港からセピロックへ

セピロック・オラウータン・リハビリテーションセンター

今朝は早起きをしたのでとても眠い。サンダカンへ向かう飛行機の中でゆっくり眠るつもりだったが、飛行時間が短かくて眠れませんでした。

それならセピロックへ移動する車中で寝ちゃうもんねー作戦に切り替えたのだが、これもまたほれはれ、1~2時間かかると思ってたら、サンダカン空港を出発して、なんと20分足らずで到着してしまったので作戦失敗。*空港からの距離はおよそ17km。

セピロックってこんなに近かったのぉ~、そうなのぉ~。

「さあ、着きましたよ」

ガイドさんの案内で車から降りると、一瞬で密度の濃い緑の空気と、むっとした熱気が身体を包む。おかげで眠気がどこかへ飛んで行った。駐車場をちょっと歩くだけで、そこかしこから虫やら鳥やら生き物やらの鳴き声が、何か得体の知れないないサウンドとなって、スコールのように降り注いでくる。

これぞまさに熱帯雨林だね。

駐車場とビジターセンター
駐車場からビジターセンターへ向かう / ビデオ上映が終わったところ / ビジターセンターでカメラ・ビデオの持ち込み料を支払う

サンダカン空港からセンターへのドライブルートマップ

まずはビデオで勉強

わたしたちがセンターに到着した時、ちょうどビデオ上映が始まるところだった。おお、なんてラッキー♡ビデオ上映は午前8時半、11時、12時、午後3時半の1日4回おこなわれる。わたしたちはコタキナバルから早朝のフライトで飛んできたので、朝一番の午前8時半の上映に間に合ったのだ。

ビデオの内容は、オラウータンの生態や保護に関するセンターの活動についてで、何も「アバター」のようにどうしても観なければならないというものではない。でもまあせっかく来たんだから見ておいたほうがいいでしょう。ただし全編英語です。

ビデオ上映時には靴を脱いで部屋に入るので脱ぎやすい靴が便利。

ロッカー
ロッカーは無料です / ボードウォークを歩いて餌付けプラットフォームへ向かう

センターの概要

セピロックオラウータンリハビリテーションセンターは、森林伐採や密猟などで、親をなくしたり生き別れになったオラウータンを保護し、自然の森へ帰って自立できるようにトレーニングをする施設。オラウータンは、世界でボルネオ島とスマトラ島にしか生息していない希少な霊長類だ。

ところで、2つの島のオラウータンは長い間、一種と考えられていたが、現在では、ボルネオオランウータン(Pongo pygmaeus)と、スマトラオランウータン(Pongo abelii)の二種に分類されている。そのうちの一種、ボルネオオランウータンは、現在は4万頭にまで個体数が減っており、保護の重要性が叫ばれている。

*ボルネオオランウータンはさらに、島北西部、北東部、南部の3つの亜種に分けられています。

現在センターで一般に公開されているのは、野外保育園と呼ばれる餌付けエリアと、そこでおこなわれる餌付け。 「野外保育園」といってもまわりは自然の熱帯雨林のような広さがあり、オラウータンの姿を見つける事はとても難しい。従ってわずかな遭遇のチャンスは、餌付けの時間ということになる。餌付けの時間になると、3~9歳のオラウータンが木の枝やロープを伝って餌付け用のプラットホームに集まってくる。それがセンターの最大の見所だ。

*餌付けの時間は午前10時と午後3時の1日2回。

オラウータンの餌付け
どこからともなくロープをつたってオラウータンたちが現れる / オラウータンの綱渡り。上手だね

ビデオが終わると、いよいよ森の中に入ってオラウータンの餌付けを見学する。でもその前にビジターセンターでカメラ・ビデオの持ち込み料(10リンギ)を支払う。

(センターの入場料は大人30リンギ、子供15リンギ。こちらはツアー代金に含まれていた)

また貴重品はビデオコンファレンスルーム棟の横にある無料コインロッカーに預ける。それからボードウォークを歩いて餌付けがおこなわれる森の中のプラットフォームへ向かうのだった。

セピロックオラウータンリハビリテーションセンターの地図

公式サイト:http://www.wildlife.sabah.gov.my/?q=en/content/sepilok-orangutan-rehabilitation-centre

オラウータンの餌付け見学

セピロックオラウータンリハビリテーションセンター

ツイている時は、このボードウォークの手すりあたりにもオラウータンが来て、さわれるくらいの至近距離でご対面できることもあるらしい。でもわたしたちの時は、スタッフが餌を持ってプラットフォームに現れても、オラウータンはなかなか姿を見せなかった。

「来ないね」

「今日はだめなんじゃい」

「ええ~~せっかく来たのに」

それでもスタッフが餌の合図の鐘を鳴らしていると、何やら森の木々がゆっさゆっさと揺れ始める。それがだんだん近づいたと思ったら、いつの間にか3頭のオラウータンがロープをつたっていた。おお~~、来た来た。今日ははだめなのかとあきらめかけた時だったから、なおさら嬉しい。

たくさんの観光客がいっせいにカメラを構える。のっそのっそとプラットフォームまでやって来たオラウータンは、スタッフからバナナをもらうと、わっしわっしとほうばり、食べ終わったらしばらくそのわまりで遊んでいたが、そのうち、またロープをつたって森の中へ消えて行った。

餌付けプラットフォームに集まってきたオラウータン

食事が終わるとお遊びタイム

「ああ~もう行っちゃった」

「でも見れたからラッキーじゃん」

「あのオラウータンはお母さんやお父さんがいなんだよ」

「え、うそー」「どうしていないの?」

「人間が森の木を切ったから、親が死んじゃったんだ」

「かわいそう」

「ここではそんなオラウータンの孤児を保護して野生の森へ帰れるよう訓練しているんだよ」

保護されているオラウータンたち

ビジターセンターで寄付をする

プラットフォームでの餌付けが終わり、オラウータンたちが保護区の森へ姿を消したあと、わたしたちはビジターセンターへ寄った。最初にビデオプログラムを見たコンファレンスルームがある建物の向かい側だ。ビジターセンターには、インフォメーションカウンターとお土産ショップ、熱帯雨林を眺めながら休憩できるカフェがある。

それから現在この施設で保護されているオラウータンの「孤児たち」の写真と名前、年齢が1枚1枚表示されているコーナーがあった。どの子も無邪気な顔でカメラを見つめていて、まるで人間の子供のように思える。

ここに保護されているオラウータンの子供達の少しでも役にたえばと願い、こどもたちとそれぞれの寄付金箱にお金を入れた。

それからビジターセンターを出て駐車場へ向かう。うっそうと繁る緑の木々から漏れてくる、いく筋もの光のカーテンの中を、きれいな蝶がひらひらと舞っていた。

ビジターセンター
ビジターセンターにあるお土産ショップ / カフェもある

入場料

  • 入場料は大人30リンギ、18歳未満15リンギ
  • カメラ・ビデオの持ち込みは10リンギ
  • サンダカンの町からミニバスで3.9リンギ、タクシーで約30リンギ

駐車場の正面にレストラン/売店棟とトイレ、その奥にビジターセンター、その向いがビデオ/コンファレンスルーム、そしてビジターセンターから森の奥へとボードウォークが続いている。

ビジターセンターの展示品を見学する子ども達
このセンターで保護されているオラウータンたちのプロフィール / 寄付金箱にお金を入れるこどもたち

セピロック・オラウータン・リハビリテーションセンター子連れ見学のまとめ

セピロックオラウータンリハビリテーションセンターでは、自然の尊さやそれを守る事の意義を、実際の活動を目の当たりにしながら学ぶことができる。それはこどもたちにとっても、大変刺激的で貴重な体験だ。

また野生の状態に近いオラウータンを見学できるのも、子供達が興味を持って楽しめるポイント。マレーシア・ボルネオ島を訪れる子連れ旅行者におすすめのスポットです。