マダガスカル旅行にタイ航空を選んだ理由

2019年3月1日

終業のベルが鳴り終わると、小鳥が一斉に飛び立つように、

校舎の窓からこどもたちのざわめき声が響き渡ってきた。

今日から冬休み。夕方の便でマダガスカルへ出発するわたしたちは、

カイとリュウの小学校にいる。

2人を拾ってそのまま成田へ向かうのだ。

成田からタイ航空に乗る

長い道草の始まり

南に向いた校舎の玄関から、カイとリュが飛び出してくるのを今か今かと待っていると

「ご父兄の方ですか?」

と隣に立っている男性が、問いかけてきた。今日は1年生の集団下校の日でもある。ボランティアの父兄が、それぞれ担当の地区へ1年生を送り届けるのだ。

「はい、イルカです。いつもお世話になっています」

「あ、カイくんリュウくんのお父さん、ご苦労さまです。わたしは校長です。最近は不審者が多いからお父さんのご参加はとても心強いです」

「え、いや、違うんです、校長先生、今日は集団下校のボランティアではなく、今から旅行へ行くのでこどもたちを迎えにきたんですよ。うちは学校から遠いし山の上だから、こどもたちの帰りを待っていたら飛行機に間に合わなくなるので」

「ああ、そうですか、いいですね。今日から冬休みですからね。それでどちらへ行かれるんですか?」とニコニコしながら尋ねてくる。

「あ、ちょっとその、マダガスカルまで」

「え、え? 何ガスカルですって?」

人生経験豊富な校長先生も、意外な答えを耳にして少し驚いた様子。

「それは、、どうやって行くんですか?」

息を飲みこみなが、続けてそこには何があるのか、治安は大丈夫なのか、と聞いてくる。その間にカイが玄関から出てきた。わたしが校長先生と話しをしているのを見つけて、ニヤニヤしている。しばらくして今度はリュウが飛び出して来た。遅いぞ!だって先生の話しがすげー長かったんだもん。これ、校長先生の前でそげな言い方はないでしょう。

タイ航空の機内の様子

                    タイ航空の機内の様子

時間もないので、校長先生にお礼を言って車に向かおうとしたら、今度は女性の先生に呼び止められた。カイの担任でもリュウの担任でもない。でもわたしたちが今日からマダガスカルへ行くことを知ってらっしゃる。

「お気をつけて!」

駐車場にむかいながらママにあの先生は誰か聞くと、「だから副校長じゃない、いつも言ってるでしょ、PTAやサタデースクールでお世話になってるって」。

インターナショナルスクールで育ったママには、日本の公立小学校の慣習や規則が奇異に映るらしい。少しでも理解を深めようと、PTAやサタデースクールなどのボランティア活動に積極的に参加している。しかし、これだけはどうしてもガマンならんことがあると言う。それはこどもの体操着に学年、クラス、氏名を書いた布を縫い付けること。

「これに何の意味があるわけ?」とご立腹だ。せめて氏名だけにしてくれたら毎年縫い直す必要がなくなるのに!

車に乗ってアクセルをふかす。最後部のシートにランドセルやら図工セットやらをほうり投げながら

「さーいよいよ冒険旅行の始まりだね」とカイが言う。続けてリュウも

「おれたち学校から直接マダガスカルへ行くなんて、長い道草だよ」と笑う。

高速道路は順調で、そのまま、クリスマスで盛り上がる都心に向かって、一直線に車はスピードをあげていった。

タイ国際航空

今夜はわたしたちがバンコクまで利用するのはタイ航空のフライト。

「微笑みの国」タイランドのナショナルフラッグキャリア、タイ国際航空は、暖かいもてなしと美味しい料理に定評があり、旅行専門誌やビジネス誌などによるサービスランキングで、常に上位に顔を出している航空会社だ。また機材の新しさと整備技術の高さから、航空会社の安全度ランキングでも「A」をマーク。世界でも有数の航空会社としての地位をかためつつある。

タイ国際航空の設立は1959年12月。国際線の最初の就航都市が東京というのも、われわれ日本人の心をくすぐる。タイの発展とともにルートを広げ、現在、バンコク/スワンナプーム国際空港を基点に、北米、欧州、アジア、中東、アフリカ、オーストラリアなど世界35カ国、75都市にフライトを就航させている。

日本への乗り入れは現在東京の他、大阪、名古屋、福岡の4都市。バンコクとの間に週56便(コードシェア便を除く)を就航させている。

保有機体数は88機、全日空やフルトハンザ、ユナイテッド航空と同じく、スターアライアンスメンバーでもある。(ちなみに日本航空、英国航空、アメリカン航空、キャセイパシフィック、カンタス等はワンワールド、ノースウェスト、コンチネンタル、エールフランス、アリタリア、大韓航空などはスカイチームという航空会社連合を形成している)

食前酒のサービス

マダガスカルまでサンタさんは来るのか?

今年は厳冬になるという予想とは裏腹に、まるで早春の日だまりのような陽気に包まれた首都高速を東へ向けて走る。

六本木から谷町ジャンクションを東京湾のほうへカーブすると、左手に東京タワーが見えてきた。この季節、都心の夜空には巨大なクリスマスツリーのイルミネーションが浮かび上がる。

「今度東京に戻ってくるのは来年なんでしょ?」

後部座席からカイが尋ねる。

「そうだよ、クリスマスも大晦日もお正月も、全部向こうで過ごすことになる」

「あっ、タイヘン、じゃあ今年はサンタさんからのプレゼントどこでもらえるのかな?」

急に心配そうな声になる。

「旅行に行くので戸締まり厳重にしてきたよ」とママ。

「あーーだめだよママ、それじゃサンタさん家に入れないじゃん」

「家に入れても、こどもがいなかったら何も置かずに帰っちゃうんじゃない」

「え~~そんなーー。でもおれたちのこと探してマダガスカルのホテルに持って来てくれるかな?時差があるから、日本でおれたちがいないのに気づいたら、すぐマダガスカルに来ても間に合うよね」

おいおい、なんて都合のいい考え。でも、そこまで気がまわるなら、サンタの存在そのもを疑えよ!

機内食の写真

             タイ風牛ライス / チキントマトリングイネ

成田空港ANAシグネットラウンジ

成田空港に到着したわれわれは、いつものようにジョーイパーキングさんに車を預けて、搭乗手続きをすます。首都高速がすいてたおかげで、飛行機の出発までには余裕の到着だ。

ここでマイレージクラブ上級会員の裏技、空港ラウンジを家族4人で利用する方法を教えちゃおう(通常、メンバーと同伴者1名の計2名しかラウンジを利用することはできない)

ANAでもJALでも、上級会員の人はとにかくクレジット機能付きのメンバーズカードに切り替えること。それだけでも、搭乗のたびにマイレージが5割増しになるとか、ANAホテルに宿泊したら朝食が無料になるとかいろんな特典がある。クレジットカード付きのマイレージカードを発行してもらったら、今度は家族カードを1枚作ろう。本来のメンバーズカードと家族カードの計2枚のカードがあれば、ファミリー4人まで、ラウンジを利用することができる。家族カード発行による追加の年会費は、ラウンジを2名追加で利用するさいの料金より安い。つまり年に1回でもラウンジを利用するならモトがとれるという計算だ。

ラウンジで、無料の天ぷらそばやおすしをつまんで、無料のインターネットをいじくって、あっと言う間に出発時刻になった。ちなみにANAのラウンジでは、シャワールームや更衣室、バーも無料。(*タイ航空はスターアライアンスメンバーなので、成田ではANAのラウンジが使用できます)

航空券

マダガスカルまでのフライトでバンコクを経由する場合、タイ航空の他、ANA、JALもマダガスカル航空と提携をおこなっており、航空券のディスカウントがある。3社のうちどこが一番安いかは、その時の状況によって異なるらしい。

わたしが調べた時は、タイ航空が最も安かった。ただし予約からすぐ発券するタイプのチケットはもっと安かったのだが、予約した段階で年末の出発時期が流動的だったため、キャンセル可能なチケットにした。そのためマダガスカルまでの往復の航空券が187000円と、思ったより高くなってしまった。

昨年の同じ時期に出発したエミレーツ航空で、ドバイ経由ナイロビまでの往復チケットが14万円だったので、燃料価格などの高騰を加味しても、ちょっと痛かったなーと思う。

出発のアナウンスが響く登場ゲートから、飛行機に乗り込む。いよいよだね。飛行機の入り口で、タイシルクの民族衣装に身をつつんだキャビンアテンダントさんが、両手を胸の前で合わせて、1人1人を出迎えてくれる。

バンコクまでの飛行時間は、およそ7時間。ぼくらの期待と不安を乗せて、タイ国際航空677便は、師走の星座がまたたく、西の夜空へ舞い上がっていった。

機内食、サービスその他

シート配列は3-4-3。パーソナルテレビなし。アメニティグッズなし。キッズミールあり。ほぼ満席。離陸は午後5時30分、バンコク到着は深夜0時40分(現地時間午後10時40分)。飛行時間7時間10分。離陸後の夕食と、到着前に軽食が配られる。

タイ国際航空のはコチラ